はじめに
表面処理技術を用いた機能性セラミック薄膜の開発を推進しています.
プラズマによる薄膜合成
物理蒸着(PVD)法と呼ばれる表面処理技術があります.PVD法では,放電により固体(電極)の状態変化を促し,蒸気・イオン・電子からなるプラズマを発生させます.
高いエネルギー状態にあるプラズマを活用することにより,これまでにない複雑な化学組成を持つセラミック薄膜を創製することが可能になります.
焼結ターゲットの作製
佐賀県工業技術センターの保有設備である放電プラズマ焼結装置を用いて薄膜の原料となる焼結ターゲットを自作しています.
セラミック薄膜の構造
セラミック薄膜は基板上に原子が堆積することにより形成されます.堆積過程において薄膜は柱状構造と呼ばれる霜柱のような構造を形成します.
表面に意図的に凹凸構造を与えたテクスチャ構造など薄膜の微細構造に着目した研究も行っています.
X線による表面分析(準備中)
薄膜の摩擦特性(準備中)
薄膜の耐酸化性評価
セラミック薄膜は切削工具への被覆を応用範囲とするため,高温環境における耐熱性が求められます.熱重量分析(TGA)・示唆熱分析(DTA)を用いて大気中における酸化挙動を解析しています.
切削試験による工具摩耗の評価
セラミック薄膜をコーティングした切削工具を用いて,切削試験を行っています.セラミック薄膜は硬質であるため,工具摩耗の抑制に寄与します.